ファイナンシャルリテラシーを身につける方法


ぼくは去年からFP(ファイナンシャルプランナー)としても活動しているわけですが、仕事上いろんな人と会ってきて、「ファイナンシャルリテラシーを持っている人はほんとうに少ない」ということを実感しています。このエントリーではファイナンシャルリテラシーとは何か、そしてファイナンシャルリテラシーを身につけるにはどうしたらいいかについて書いてみようと思います。

ファイナンシャルリテラシーとは何か?


ファイナンシャルリテラシー(Financial Literacy)とは、直訳すると「お金に関して読み書きできる能力」です。より具体的に言うと、「お金に関して理解し、適切な決定と行動ができるようになるためのスキルと知識」でしょうか。

残念ながら、日本では普通に生活していてファイナンシャルリテラシーを身につけることはできません。なぜなら、お金の教育は義務教育の内容にも入っていないし、そもそも親や教師にファイナンシャルリテラシーがないからです。

40代以上の人たちにファイナンシャルリテラシーがない理由


日本は1990年頃まで、定期預金の金利が8%という国でした。80年代には郵貯の10年定期の利息が年利12%ということもありました。つい20年から30年ほど前の話です。*1
しかしバブル崩壊後のゼロ金利政策により、現在は0.1〜0.2%です。
現在40代以上の人が社会人になって給料をもらい始めたときは非常に金利が高い時代でしたから、「とりあえず銀行か郵便局に預けておくか」で十分でした。金利が10%であれば7年放置しておくだけで倍になる、そんな時代でした。
ですから、40代・50代・60代という、10代から30代までの子どもを持つ世代の人たちは、「銀行か郵便局にお金を預ける」という選択肢しか知りません。当然、子どもたちもそれ以外の選択肢を知らないことがほとんどです。日本では、お金の無知の連鎖がいまもなお、続いています。


さて、話を戻してファイナンシャルリテラシーとは何か、という点についてもう少し掘り下げてみようと思います。「お金の知識」というとすぐにFXやCFD、株式、投資信託といった個別の商品の知識に飛びついてしまいがちです。しかし、それらはあくまで各論。やはりまずは総論たる「お金の流れ」、特にストックとフローの関係について押さえるべきでしょう。

ファイナンシャルリテラシー総論〜ストックとフロー〜


まずはこの図を見てください。



別に損益計算書貸借対照表という言葉は知らなくても大丈夫です。ちなみに、説明のために簡素化しているので正確な図でもありません。
損益計算書は、お金の出入り(フロー)を表します。例えばお給料をもらったら収入、クレジットカードの代金を支払ったら支出に記載されます。
一方貸借対照表は、ある時点で持っているもの(ストック)を表します。例えば銀行の預金残高は資産、住宅ローンは負債に入ります。

損益計算書貸借対照表がどのような関係になっているかというと、資産が収入を生み、負債が支出を生むという関係です。

総論としてのファイナンシャルリテラシーは、以上の2点、すなわち損益計算書貸借対照表の意味および両者の関係が分かっていれば十分です。

この2点についてわかっていれば、銀行預金というほとんど収入につながらない資産しか持っていないことのもったいなさ資産と思っていた持ち家が実は支出を発生させるだけの負債にすぎないということがわかるでしょう。

ぼくはセミナーなどではさらにお金持ちと貧乏人の損益計算書貸借対照表の違いといったものを紹介するのですが、ここでは割愛します。

ファイナンシャルリテラシーを身につけるためには?


資産から収入を生み出す好循環を作り出せることができれば、ファイナンシャルリテラシーが身についたと言えます。そのためには、まず損益計算書貸借対照表の意味と両者の関係を理解すること、そして実際に収入を生み出す資産を手に入れるために投資することです。
「投資は胡散臭い」と思ってる人は結構多いように思います。でもそれは自分が知識を持たずに一方的に販売サイドから勧誘されるから胡散臭いと思ってるだけで、自分が知識を持って「この投資をやる」と決めてやれば、胡散臭いと思うことはないのではないでしょうか?
投資を胡散臭く思うのなら、まずは自分に投資すべきです。本を読んだり、セミナーに参加したり、人に話を聞いたり、ネットで調べたり。できることはたくさんあります。

参考書としては、やはり『金持ち父さん貧乏父さん』でしょうか。日本で出版されて10年が経ちますが、いまだにこれ以上わかりやすくファイナンシャルリテラシーについて書かれた本はないように思います。

おまけ:セルフファイナンシャルプランニングのための5ステップ

1.現状の家計を把握する(銀行口座・預金残高・自分名義の資産の把握・毎月の収支を把握)
2.ゴールを設定する(ex.60歳時点で1億円持っておく・毎年100万のキャシュフローを得る等)
3.具体的な商品について学ぶ
4.ゴールへのプランを立てて投資する
5.必要に応じて見直す


預金しているだけで何とかなっていた時代が終わった今、ファイナンシャルリテラシーを持って実際に投資することは、もはや一般教養であると考えるべきでしょう。
お金は、あくまで夢を実現するための手段にすぎません。お金が目的になることはあり得ません。あなたの夢のためにも、ファイナンシャルリテラシーを身につけることは必須であるとおもいます。

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