税と金持ちと貧乏人と。
企業と金持ち「だけ」から税金を取るようにしてみてはどうか - 分裂勘違い君劇場
「金持ち、企業からだけ税金を取る」を実際にやっていた江戸の町 - longlowの日記
これらのエントリーを見て思い出すことがあったので、ちょっと書いてみます。
僕は少しだけジャマイカに滞在していたことがあるのですが、
「金持ち、企業からだけ税金を取る」を実際にやっていた江戸の町における「税金を払っていない庶民」というのが、まさにゲットーに住んでいる人たちそっくりだなぁ、と思いました。
まずジャマイカという国について僕が見聞きしたことを書いてみようと思います。
ジャマイカってこんな国
カリブ海、キューバの南に浮かぶ島国。人口260万人、面積は秋田県くらい。
主要な収入源は鉱産資源やコーヒー*1・ラム酒等の輸出、観光くらいで、あまり裕福な国ではありません。(というかかなり貧乏)
生活必需品などをほとんどアメリカからの輸入に頼っているため、物価はかなり高くてほぼ日本と同じ。
それにも関わらず、公務員の月給は月10万。
日本と同じ物価の社会で月10万で家族を養えるはずがありません。だから国民の過半数がゲットーに住んでいるし、一応違法とされているマリファナやコカインをそこらで売ってたりするのです。
この前の五輪で世界新記録を出したウサイン・ボルトが住んでいるのは、こんな国です。
ゲットーに住んでいる人たち
ゲットーは大体ガレーと呼ばれる大きな溝に沿って建てられています。
ガレーは生活排水を流すところで、ゴミなんかも捨てられまくっています。そして雨が降るとわっしゃーと流していくわけです。たまに死体や銃や麻薬なんかも捨てられているそうです。
まあこんなところには誰も住みたがらないので、お金がない人が勝手に家を建てて住んでるわけですね。
彼らは当然税金なんか払ってません。勝手に建ててるので家賃も払ってないでしょう。
ちなみに電気は電柱にするするっと登ってクリップをぺっと挟んで勝手に引いてます。ゲットーに行くと電線から家にケーブルが伸びている光景を見られます。
だから首都キングストンはよく停電するんです(笑)
ジャマイカの金持ち
ジャマイカの金持ち(ほとんど白人)はほんとに金持ちです。とりあえずみんな山の中腹に真っ白なでかい家を持っています。金持ちほど山の手に住みたがるのはどこの国でも同じなようです。
金持ちと接する機会はあまりなかったのですが、もう見た目からして違いは歴然でした。もう本当にこれが同じ国なのかと。
日本も格差社会とか言われてきていますが、ジャマイカに比べればまだまだ甘いです。ジャマイカの下層に属する人はほんとにほとんど収入がなく、しかもその層に属する人が国民の過半数なのですから。
税金に関するあれこれ
ジャマイカではゲットーに住む過半数の国民は税金を(おそらく)払っていません。というより、もともと彼らにはほとんど収入がないので、税金を取れないのです。
これが「金持ちからだけ税金を取っている」という国の実態です。
ところが日本はどうでしょう。
年収300万〜800万の層に国民の過半数が属し*2、総中産階級化しているのにも関わらず、金持ちからだけ税金を取れと言うのは正しいのでしょうか。
もちろん取れる人からは取ればいいのですが、庶民からばっかり取っていると主張するその庶民自体が、実は結構な所得を得ているということは忘れてはいけないと思います。同時に、下層にいる人の手当も忘れてはいけませんけどね。
そのうち、シアトルで感じた消費税のあり方、について書いてみようと思います。
企業に関する税について一言。
企業と金持ち「だけ」から税金を取るようにしてみてはどうか - 分裂勘違い君劇場のように法人売上税だとか法人雇用税なんてかけるようにしたら、
・赤字の企業は倒産しまくる
→失業者が増える
・起業後は確実に赤字なのに税金取られる
→起業しようとする人がいなくなる
・法人雇用税がかかる
→人を雇わない
→仕事がひとりに集中して過労死続出
という事態は結構容易に想定できるのですが、どうなんでしょうか。
と、ネタにマジレスしてみる。
*2:平成18年 世帯の所得等の状況 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa06/2-1.html