アメリカ人はどこまでバカか
アメリカ人に聞きました。広島と長崎はなんで有名? - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記
僕は高校時代にほんの少しだけアメリカに交換留学で行っていたことがあります。期間は短かったですが、他の国の学校でその国の生徒たちと一緒に学ぶという経験は、非常に刺激的なものでした。
もう7年ほど前の話でうろ覚えなのですが、「アメリカ人はどこまでバカか」というテーマについて少し書いてみたいと思います。
アメリカの学校制度は、日本式にいえば5−3−4制になります*1。すなわち小学校が5年、中学校が2年、高校が4年です。しかしご存じのように、高校3年生という言い方ではなく、12年生というように呼びます。僕が行った高校はシアトルにあり、場所的にはほとんどカナダとの国境にありました。
さて留学期間中、僕らは基本的に学校内では自由行動でした。しかし高3の時に英語を満足に扱えるわけもなく、交換留学を受け入れるホストに金魚のふんみたいにくっついていましたが。
このホストのスペック。
- 名前 Katie
- 金髪白人(♀)
- 同い年(12年生)
- 交換留学で一緒に行った人のホスト(俺のホストは白人男性)
- 成績は優秀(本人談)
- 日本に興味を持っており、高校では日本語クラスに在籍
- 家の裏にはでかい池がある
で、彼女にくっついて数学の授業に潜り込んだんですが。
- 高3向けの授業なのに、やってることは円錐の体積の求め方。
- しかもクラス全員悩む。
- Katieは悩んだあげくになぜかsin cosを持ち出して解こうとする。
- 俺が10秒で答えだしてこうだよ、と教えてあげると、違うと言って怒る。
“You said you were smart, right?”と、思わず英語で突っ込んでしまいました。今思えばすげーやな奴やな俺。
教科書も見せてもらいましたが、日本の学校でやる数学はアメリカで教えてる内容よりめちゃめちゃ高度です。たぶんそれなりに勉強してる高校生ならアメリカでは何も勉強しなくても満点取れるレベル。
以上、数学に関してはアメリカのレベルは相当低いというお話でした。
しかし全科目にわたってレベルが低いと言えるかというと、そういうわけではないのですね。
僕が単独で潜り込んだものに国語の授業(もちろん英語の授業)があるのですが、これは日本よりすごいと感じました。
実は本当に国語の授業だったのかは定かではないのですが、授業の内容は以下の通りです。
- ある短編映画の台本が教材
- まずその映画を見る
- そのあと生徒が教室の前で映画通りの寸劇をやる
寸劇をやる生徒は先生が募るのですが、これがあっという間に決まるんですね。まず日本ならこれが決まらない。
そして実際演じる生徒は真剣そのもの。誰も笑ったりしません。これも日本じゃあり得ない。照れ笑いしながらたどたどしくやるのが関の山。
しかもこの生徒がさっきまで床に寝そべって*2お菓子バリボリ食ってた奴だったりするわけです。授業中にスナック菓子食べるとかどんだけやる気ないねんとか思ってたら、実は全然そんなことなかったというカルチャーショック。
「バカって何?」ということについて考えさせられる経験でした。
元記事の動画、例えばこれはアメリカ人がいかに常識的なことを知らないかというものですが、
アメリカ人は基本的に自分が興味を持つこと以外は知りません。また、アメリカはニューヨークなどの都市部以外は全部ド田舎です。そういうところに住む人たちはアメリカ以外の国にはほとんど興味を持っていない(というかそもそも知らない)ので、仕方ないんじゃないのかな、と思います。
高校の科目も選択制だったりするので、世界史の授業を取らなかったら世界史について全く知らないと言うことは割とアメリカでは普通なんじゃないでしょうか。
アメリカに限らず、無知=バカと決めつけてしまう方が問題だというような気がします。
関連blog アメリカ人はどこまで - 内田樹の研究室